タテとヨコ   

先週の企画会議で(唱)さんが「タテヨコ問題」と題して、ゴマブックスから発刊されている「名作文学」シリーズを取り上げて発表してくれました。その後で、どうしても気になってモヤモヤしてしまっていることがあります。(唱)さんの資料によると、「人間の目はよこ並びなので、よこ方向の視野が広く、ピントも合わせやすいので、読みやすいのはヨコ書きだという見解がある」とのこと。なるほど、他の動物でもたて並びの目を持っている動物って、創造しただけでも気持ち悪い。この世界では、たて方向よりよこ方向に移動するのが多いから、よこ方向が視線の自然な動きだとすれば、ヨコ書きのほうが読みやすい、ということになる。事実、世界中の多くの文字がヨコ書きになっている。

じゃあなぜ、日本人はわざわざ読みにくいタテ書きを使っていたのか? 日本語がヨコに書かれ始めたのは開国後の明治になってから、実際に広まったのは戦後といってもいい。日本に漢字をタテ書きで伝えたとされる中国も韓国もヨコ書きで書かれることが多いと言うのに…。そもそも漢字(元は甲骨文字)を書いたひとはなんで、タテで書いたのか? 「ちょっとこれ読みづらいんちゃうん」と誰も言わなかったのか?

いろいろ調べてみた結果、文字に関することは見つけることができましたが、タテ書きかヨコ書きかという、書き方の起源のような内容についてはまったく見当たりませんでした。

でも一つ気になった記事を見つけました。それは「博報堂生活総合研究所」の「生活新聞(2004.5 No.395)」。テーマは「タテ書き」「ヨコ書き」「パソ書き」。タテで書いたとき、ヨコで書いたとき、パソコンで書いたとき、それぞれどのような違いがあるのか、というものでした。その中の実験結果を紹介します。

1.語られている内容の違い
タテ書きは、社会と自分との関係を意識している。自分の気持ちを抑え気味
ヨコ書きは、次々に心に浮かぶことをそのまま書き綴っている
パソ書きは、決意とともに明るい展望、または具体的な目標が結びの部分で語られる

2.文体、言い回しの違い
タテ書きは客観的、
ヨコ書きは私的、
パソ書きはちょっとエンターテイメント
など

そう言われてみれば、こうやってブログを書いているときと、ペンを持って書いているときと内容こそ違うけれど、文章の雰囲気も違っているような…。そして、この実験結果が正しいのなら、タテ書きの文章そのものが日本人っぽいような気がします。というより、タテ書きで書いていたから日本人らしさが生まれたのか? とにかく、日本人とタテ書きは切っても切れない関係なのではないでしょうか。

日本語は、漢字とひらがなとカタカナ、さらには数字や英語。文字組もタテとヨコがあって、ほんとに複雑で難しい。この仕事をしていて、いつになったらうまく文字が組めるようになるのか。もしかしたら、永遠に正しい文字組なんて見つからないのかも…と思ってしまいます。でも、複雑だし、難しいからおもしろい。日々試行錯誤を重ねながら仕事をするのは楽しいですよね。(D-ryo)
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by wordweb | 2008-09-19 23:35 | デザインな日々

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