カテゴリ:頑固一筆( 12 )   

イチローの快挙   

 イチローがメジャーで8年連続の200本安打を達成した。メジャー2人目の記録だそうだが、初代のウイリー・キーラー選手の記録はルールもレベルも違う100年以上も前の話。実施的にはイチローが初といえる。
 彼がオリックスでデビューしたときの印象は鮮烈だ。安打製造機の異名をとり、面白いようにヒットを打っていた。こちらはライバルの近鉄ファンだったから、悔しい思いをずいぶんしたが、あそこまでいくと、かえって痛快で拍手を送りたくなったものだ。その天才・イチローも、土井監督時代には不遇だった。身体の線が細いのと振り子打法が気に入られず、1軍と2軍の間を行ったり来たりしていた。
 幸いだったのは、土井監督が成績不振ですぐに解雇され、仰木監督に代わったことである。イチローの才能を見抜けない監督だから、成績を上げられるはずもないのだが、次が来た仰木監督がイチローを評価して抜擢したことで、才能が開花した。
 仰木監督は近鉄時代、野茂英雄投手のトルネード投法をいじったりせずに自由に投げさせて、活躍を後押ししたことでも知られる。その後、野茂は仰木後の監督から投法の修正を迫られ、近鉄を飛び出してメジャーに渡った。今年引退したが、最後までトルネード投法にこだわりつづけたのは、いかにも野茂らしい生き様だった気がする。
 横並びと前例主義が根強い日本では、イチローや野茂のような異能・異端の人間は評価されにくい。もっとも、これは保守的な徳川政権が300年以上も続いたことによる気質だそうだ。そういえば、織田信長は前歴にかかわらず秀吉や光秀など有能な人材を抜擢したし、室町時代には佐々木道誉ら婆沙羅大名が跋扈していた。中央集権をそろそろ見直す時期であろう。
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by wordweb | 2008-09-19 11:29 | 頑固一筆

事故米の流通   

 三笠フーズが転売して大儲けをした事故米詐欺事件は、さらに拡大しようとしている。ういろうで有名な名古屋の青柳総本家の和菓子に事故米が使われていたことが判明した一方で、奈良の転売業者の店主が自殺して亡くなった。
 食品の産地偽装、食品偽装が次々に明るみに出て、商品としてのモラルハザードを問われる事件が相次いでいたが、それらはうなぎや牛肉、鶏肉など、副食レベルであったのに対し、今回は日本人の主食である米が偽装されていたことになる。カネが儲かりさえすれば、何をやってもよい。自分さえトクをすれば、他人がどうなろうと知ったことじゃないという風潮が蔓延し、人間の口に入り、最も安全を重視すべき食べ物にまで及んでいる現状に愕然とせざるを得ない。
 中国で粉ミルクにメラミンが混ぜられ、それを飲んだ3人の乳幼児が死亡、6千人以上が治療を受けたというニュースが報じられたが、日本も同じようなものである。監督すべき農水省も業者ともたれあっているから、内部告発が1年以上も前にあったにもかかわらず、形だけの検査で済ませていたのだろう。官僚のモラルも地に堕ちたものだ。本格的な政権交代が行われないまま、だらだらと自民党支配を甘んじて受け入れてきたツケがここにきて一挙に噴き出してきた気がする。
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by wordweb | 2008-09-18 10:03 | 頑固一筆

H&M騒動   

 東京へ出張していて、1週間ぶりのこのコーナー。その東京で先週の土曜日、世界3位のカジュアルウエアメーカー・H&Mの日本第1号店が銀座にオープンした。たまたま銀座に行く用事があり、その狂騒振りを目の当たりにしたが、ちょっと信じられない光景だった。
 近くを通ったのは、昼過ぎ。テレビのニュースで徹夜で並んでいるという報道を目にしていたため、多少は混雑しているだろうぐらいに思っていたら、入店するまで実に二時間以上待ち。延々と長蛇の列が続いている。それでも並んで入ろうというのだから、物見高いというよりは、マスコミに踊らされている結果であろう。周りには、店のビルの写真を携帯電話で撮っている男女もたくさんいた。若い子ばかりではなく、中高年のおじさんも携帯電話をかざしている。一体写真を撮ってどうするのだろう。知り合いにメールして自慢したいのだろうか。みっともない姿だ。
 日本人は横並び主義で付和雷同しやすいといわれ、ちょっとテレビでタレントが「この店がおいしい」と推奨すると、その店には行列ができてしまう。しかも、料理が出てきたら、携帯電話でパシャパシャ。下品このうえない。これも、誰かが流行らせたのだろう。
 ニューヨークの証券大手・リーマンブラザースが倒産した。日本にも悪い影響を及ぼすのは間違いないのに、H&M店のオープンに浮かれたり、総裁選遊説を称して仲良くバスに相乗りし、笑顔を振りまいている姿は、危機感ゼロ。この国は、落ちるところまで落ちるしかないのかもしれない。
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by wordweb | 2008-09-16 09:22 | 頑固一筆

やっぱり   

 福田のび太首相のマジック興行は、ますます絶好調のようだ。陰の演出家は誰かわからないが、麻生氏が手を挙げたあとに、与謝野氏、さらに、小池女史や石原氏、さらには、軍事オタクの石波前防衛大臣、テレビ好きの山本一太氏までが出馬の名乗りを上げた。最終的にどうなるかはともかく、安部、福田と2世議員のトップが途中で投げ出したにもかかわらず、麻生は吉田元首相の孫だし、石原、石波、山本の各氏も2世議員。いずれもボンボン育ちで、言動が紙のように軽いが、小池女史ともども派閥のボスクラスが20人の推薦人を割り当てているというから、テレビ映りのよい若手を担ぎ出し、いっそう観客(国民)の耳目を集めようとの魂胆であろう。早くもマスコミは報道合戦を繰り広げており、すでにその効果は出ている。
 その一方で、のび太首相は相変わらずだんまりを決め込んでいる。下手に喋るなと釘をさされているに違いない。あの鉄面皮な顔をテレビで見ていると、国の利益よりも自民党の利益を優先したことに少しも恥じらいを覚えていないようだ。こんな人物が一国の宰相だったとは、情けないかぎりである。
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by wordweb | 2008-09-05 18:52 | 頑固一筆

案の定   

 昨日、福田マジックの話を書いたが、案の定と言うか、共同通信社の緊急電話調査の結果によれば、支持する政権の枠組みについての問いに対して、「自民党中心」が「民主党中心」を逆転し、衆議院比例での投票についても、自民党が民主党を上回った。見事にマジックがはまり、自民党の描いたシナリオどおりに今のところ運んでいる。
 見え透いたマジックならタネがすぐにバレて、観客(国民)はしらけてしまうだろうが、のび太首相は会見後マスコミなどの取材をいっさい拒否し、マジック効果を先延ばしするために、手の内をいっさい見せない戦術に出た。これもなかなか巧妙だ。
 マスコミに批判されても、蛙の面に何とやらで、知らぬ顔を決め込んでおけば、そのうち話題は総裁選へ移っていく。勝てば官軍。選挙で多数を取れば、郵政選挙と一緒で、あとは誰が何を言っても後の祭り。実に計算されつくした作戦だ。
 この戦略を立てた人物は、マスコミ操作に長けていると同時に、日本人の心理をよくよく熟知している策士に違いない。策士策に溺れる結果になるのかどうかは今後を見てみないとわからないが、うまくいくようであれば、日本の先行きは暗い。
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by wordweb | 2008-09-04 11:12 | 頑固一筆

福田マジック   

 いずれ辞めるだろうと思っていたが、意外に早かった。福田首相の退陣劇が、である。
 もともと、福田首相には、自らの手で乾坤一擲の解散を打って出るほどの決断力も、気骨も、度胸もあるようには思えなかったが、この時期に退陣するとは想定外だった。しかし、民主党の党首選びのこの時期に辞任をぶつけてきたのは、ある意味、計算したうえでのことと考えると納得できる。
 マスコミでは、「安部前首相に続く二度の政権放り投げは、自民党にとって打撃だ」と論調しているが、あれは建前論。自民党議員がテレビに出て殊勝な顔でお詫びしているのも、いわば演出。考えるまでもなく、権力を握っているものは凡人が考える以上にしたたかで、唯々諾々とそれを手放すほどお人よしではあるまい。
 福田首相がずるずる居座って解散に追い込まれるのは、自民党には最悪のシナリオ。それよりは、いま退陣して華々しく総裁選をやり、マスコミに大々的に取り上げてもらえば、放り投げによる負のイメージ以上に、国民の関心は新総裁・新首相に移っていく。その熱が冷めないうちに解散して選挙に勝つと読んでの今回の辞任劇と見ると、やれ麻生だ、小池だ、石原だと騒いでいるマスコミの報道に、福田首相は「してやったり」とほくそ笑んでいるに違いない。
 民主党議員の引き抜きに続いての福田マジック。権力を維持するためなら、そうしたサプライズを含めてあらゆる手を打ってくるのが自民党であり、だからこそ戦後ずっと政権の座にありつづけたわけだ。見事にはまって自民党が選挙に勝利すれば、勲一等は福田首相ということになろう。怖い話だ。
 
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by wordweb | 2008-09-03 16:42 | 頑固一筆

アフガンの土   

 ペシャワール会の伊藤和也さんが、活動先のアフガニスタンで殺されるという悲劇が起きた。ODAなどのひも付きの援助ではなく、伊藤さんらペシャワール会のメンバーは、貧しい地元民のために、井戸を掘り、潅漑を施し、農業を指導するなど、共に汗を流してきたにもかかわらず、である。
 以前、イラクで拉致され、政府の交渉などで釈放された日本人男女に対して、首相が音頭を取って、国民、マスコミによるバッシングの嵐が吹き荒れたが、今回はそうしたこともなく、比較的冷静な受け止め方だった。ペシャワール会の活動が、それだけ日本国内でも高く評価されているからであろう。また、アフガン人に対する感情的な非難が少ないのもホッとする。
 アフガンは、旧ソ連や米国(を中心とする多国籍軍)に翻弄され、何十年と断続的に戦争状態が続いている。落ち着いた暮らしなど望むべくもなく、経済は最悪。まずは戦争をやめて、荒廃した国土と人心の回復をはからないことには、アフガンの土となった伊藤さんの遺志も実現できないのではないか。日本政府にその努力をぜひ望みたいが、現状では所詮無理だろうな。
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by wordweb | 2008-09-01 17:33 | 頑固一筆

自己チュウな議員たち   

 民主党の3人の参議院議員が離党し、無所属の議員2人と会派を作ったというニュースを見て、「何という節操のない連中だろう」と腹立たしい想いを抱いた。過去の歴史がそうであるように、大きな権力が倒れそうになったときには、何とか権力を維持しようとして、さまざまな権謀術策を繰り出すのが常である。
 今回の離党騒動も、昨年の参議院議員選挙で与野党逆転が起きたときから、自民党が民主党議員に対して寝返り工作を続けてきた結果だという。次期衆院選で政権交代がささやかれているこの時期に、まんまと自民党の攻略に乗ってしまうとは、「裏切り者」呼ばわりされても仕方ないであろう。ましてや渡辺秀央、大江康弘の両氏は昨年の選挙で比例代表で当選した議員。国民が「民主党」と記名して選ばれたのにもかかわらず、離党するというのであれば、投票した一人として、「議席を返せ」といいたくなる。裏でどういう利権が絡んでいるのかわからないが、のうのうと議員を続けるなど厚顔無恥もはなはだしい。
 もっとも、歴史が動こうとするときには、こういう卑劣な人物が出てきて、流れに棹差そうとするものだ。それによって、2大政党による政権交代という民主主義の当たり前の姿が遠のいたなら、与党や官僚の高笑いが聞こえてきそうである。現在の閉塞状況を打破するためにも、3議員の策動が無に帰さんことを祈るのみである。
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by wordweb | 2008-08-29 18:43 | 頑固一筆

チマチマ野球からの脱却   

 昨日は女子ソフトボールについて書いたので、今日は星野ジャパンについて。
 敗因については、選手専攻のミス、監督の手腕や決断のなさ、仲良しコーチのふがいなさなどいろいろ巷間で取りざたされており、今さら言うこともないが、1つだけ付け加えるとしたら、日本の野球のチマチマしすぎていたことだ。
 日本人の監督は、投手を中心にした「守りの野球」が好きで、「5点取られたら、6点取り返してに勝てばいいじゃないか」という発想はしない。投手力は計算できるが、打線はみずもの。確実に1点ずつを取って、守り切る野球を優先する。だから、1アウトでも1塁にランナーが出たら、バンドをしてセカンドへ送る。わざわざアウトを1つ提供してでも、である。まるで少年野球、高校野球の延長。こんなチマチマ野球では、パワーのある外国チームに勝てるわけがないし、見ていても面白くない。プロならもっとダイナミックな野球をやってほしいものである。
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by wordweb | 2008-08-27 20:02 | 頑固一筆

根性論   

 オリンピックでは女子の活躍が目立った。特に女子ソフトボールは上野投手の驚異的な頑張りで金メダルを獲り、日本中の賞賛を浴びたが、腕も折れよとばかりに力投する上野投手の姿を見て、日本シリーズに連投してチームの優勝に貢献した稲尾投手(西鉄ライオンズ)や杉浦投手(南海ホークス)、権藤投手(中日ドラゴンズ)など往年の名投手を思い起こした。ただし、それらの投手は晩年に肩や肘を壊し、選手生命は決して長くなかった。
 上野投手もそうならなければよいがと思う。金メダルにケチをつけるつもりも、上野投手の奮闘を否定するつもりもないが、監督が前日のダブルヘッダーと決勝戦のあわせて500球以上を投げさせたのには、少々違和感を抱いた。いくら金メダルのためとはいえ、そこまで個人に犠牲を強いるのはいかがなものか。もちろん、上野投手は斎藤監督の打診に「行かせてください」とOKしたのだろうが、「エースと心中」という言葉には、滅私奉公という根性論が見え隠れする。上野投手に故障がないことを祈るのみである。
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by wordweb | 2008-08-26 11:23 | 頑固一筆