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【書評】京都人の京案内   

京都から東京に越してきてから、
しばしば京都好きの方とお会いする。
当方がかの地出身ということに話が及べば、
まず「おすすめの場所を教えてください!」という質問が出る。
これがなかなか答えに窮するのである。

そもそも京都の観光スポットにほとんど行ったことがないのだ。
栃木県民がみな日光東照宮に詳しいか、
沖縄県民はみな毎日海へ出かけるのかというのと同様、
住んでいた界隈から中心部あたりまでならともかく、
金閣銀閣、清水さんやお東さんといった有名な寺社にも
1,2度行ったことがあるかどうか。
むしろ質問者のほうが寺社の名前をよく知っていることも普通で、
面目ない思いをするうえに、
「よう知ってはりますなぁ……教えることあらしまへん」
などという対応しては
「これが京都の“イケズ”かしら!?」
などと思われかねず、いつも苦慮している。

そりゃ、お気に入りスポットはいろいろある。
近所の神社のキッチュなお供養や念仏踊り、
お気に入りカフェの裏メニュー、
東山を一望できるガラス張りの展望室、
四条烏丸のど真ん中にある無人のあずま屋……エトセトラエトセトラ。
しかしそれらはいずれも個人的な生活に密着したお気に入りであって、
新幹線代を払って京都という一大観光地に行くという人に
勧めるに足る場所ではないだろう。

本書は京都人が集まって
自分の持てる知識をよそさんに披露してくれるという趣。
地元民にとっての「あたりまえ」を含め、
京都人ならではの視点を交えながら、
京の見どころを案内してくれている。
随所にはさまれた京都人気質の解説も気に入った。
これをよく読んでおけば、涼しい顔して京案内ができるではないか。
今後、ツウな京都好きにはこの本を勧めることにしよう。
京都人および小生の取扱説明書にもなるかもしれない!?

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京都ゆうゆう倶楽部著
PHP文庫/2008年8月刊
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by wordweb | 2009-02-17 12:54 | 東京・半蔵門通信