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イチローの快挙   

 イチローがメジャーで8年連続の200本安打を達成した。メジャー2人目の記録だそうだが、初代のウイリー・キーラー選手の記録はルールもレベルも違う100年以上も前の話。実施的にはイチローが初といえる。
 彼がオリックスでデビューしたときの印象は鮮烈だ。安打製造機の異名をとり、面白いようにヒットを打っていた。こちらはライバルの近鉄ファンだったから、悔しい思いをずいぶんしたが、あそこまでいくと、かえって痛快で拍手を送りたくなったものだ。その天才・イチローも、土井監督時代には不遇だった。身体の線が細いのと振り子打法が気に入られず、1軍と2軍の間を行ったり来たりしていた。
 幸いだったのは、土井監督が成績不振ですぐに解雇され、仰木監督に代わったことである。イチローの才能を見抜けない監督だから、成績を上げられるはずもないのだが、次が来た仰木監督がイチローを評価して抜擢したことで、才能が開花した。
 仰木監督は近鉄時代、野茂英雄投手のトルネード投法をいじったりせずに自由に投げさせて、活躍を後押ししたことでも知られる。その後、野茂は仰木後の監督から投法の修正を迫られ、近鉄を飛び出してメジャーに渡った。今年引退したが、最後までトルネード投法にこだわりつづけたのは、いかにも野茂らしい生き様だった気がする。
 横並びと前例主義が根強い日本では、イチローや野茂のような異能・異端の人間は評価されにくい。もっとも、これは保守的な徳川政権が300年以上も続いたことによる気質だそうだ。そういえば、織田信長は前歴にかかわらず秀吉や光秀など有能な人材を抜擢したし、室町時代には佐々木道誉ら婆沙羅大名が跋扈していた。中央集権をそろそろ見直す時期であろう。

by wordweb | 2008-09-19 11:29 | 頑固一筆

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